こういち工作記

忘れる工作者の備忘録

Bタンク29 弓押さえ

 長い前置きです。第二動輪もロッドピンを作り直すことにしました。サイドロッドがt0.6、メインロッドのビックエンドがt0.7で、合わせて1.3mmでした。スリーブは遊びを持たせて1.4mmにしました。

 第一動輪と同様の工作です。t1.4の真鍮板を治具にして外径φ1.5、内径φ1のパイプをねじ切りして切断します。

 治具はt1.5の端材で作ります。糸鋸で切って、刃を折りました。付け直そうとして、その1本だけ弓押さえがないのに気づきました。

 糸鋸は刃を張って使います。刃をつけるときは、弓の一端を机などに押し付けて、たわませつつまっすぐ刃をつけます。刃を付けて片側の止めネジを締めて、弓を押し付けながらもう一方を締めます。この、たわませながら止めネジを回すのがなかなか難しいのです。

ましてワークに休み孔を開けて切るようなときには、押し付ける動作もできず困ります。

 そんなとき、弓押さえは便利です。弓にはめるだけでたわみを作れるので、どんなときでも簡単に糸鋸の刃が替えられます。OLFAならぬ「折る刃人」の私には必需品です。『鉄道模型工作技法』で紹介されている方法です。

 長い前置きは以上です。そこで弓押さえを作りました。t1、10mmのフラットバーを弓から20mmほど押さえしろを残して切り出します。これが冒頭の写真です。

 材料の弓の外縁あたりから内側へ弓を回りこむように曲げます。板の曲げるところをバーナで炙って冷ますと、手で曲げられます。

 両端は力がかかるので補強します。t1.5の真鍮板の端材を使います。外径をケガキ針で写しとります。この線に沿って糸鋸で切り取ります。

 厚板なので太い刃を使いました。♯5【ゴ】です。5/0【ゴゼロ】ではありません。刃がしっかり目視できるほど大きいです。

 この糸鋸に付いているのが弓押さえです。弓の幅や厚みが違うので、糸鋸ごとに必要なのです。この糸鋸は締め込みのネジをキャップにして、万力などに当たるのを避けています。

 こんな感じに補強を切りました。U時に切り込んだ先で切り落とします。

 補強を両端の中央にはめます。接合部にフラックスをぬって、ハンダを少しニッパーで切って載せます。

バーナーを中火にして炙ります。ハンダが銀色に光って流れたら火を止めます。冷めてからキサゲで余分なハンダを取ります。

 できました。長持ちしますので、これで当面弓押さえは作らないでしょう。他の弓押さえも作って15年以上使って現役です。

 濃厚な人になってしまったので投稿がしばらくなくてすみません。